だいたい国内ひとり旅

一人旅を愛する30代女子です。女ひとり旅のコツや旅の記録、おすすめの旅先なんかを綴っています。

安曇野「碌山美術館」は彫刻作品&建築に注目!写真を撮りに行きたい美術館

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長野・安曇野にある「碌山美術館」。安曇野出身の彫刻家・荻原碌山の個人美術館で、親交のあった高村光太郎の作品なども展示されています。作品もさることながら建物もとても素敵で、写真撮影が楽しい美術館です。

ロダンの影響を受けて彫刻を志した荻原碌山

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まずは荻原碌山について簡単に紹介を。1879年に安曇野に生まれ、1901年に西洋画を学ぶために渡米したそうですが、ロダンの「考える人」を見て彫刻へと転向したのが1904年のこと。その後1906年には渡仏し、彫刻のアカデミーで学んだりと活動を続けますが、1910年に30歳の若さで亡くなりました。

碌山作品と、同時代の作家の作品を集めた開館60年の美術館

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その碌山の作品を展示するのが、安曇野にある「碌山美術館」。こじんまりとした個人美術館ではありますが、2018年には開館60周年を迎えた歴史のある美術館です。

碌山が彫刻に取り組んでいたのはわずか6年の間なので、美術館に展示されている作品の数も決して多くありませんが、惹き込まれるような、迫力を感じる作品ばかり。

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人物の彫刻作品が中心で、公式サイトに作品の写真が載せられているのですが、写真では作品の迫力は伝わらないだろうなあ。

碌山作品の素晴らしさを語るには語彙力が足りないのですが、目に力と凄みを感じる男性の上半身像や、見ている方まで切ない感情が湧き上がってくるような「女」という作品(碌山の代表作です)など、生で見ると思わずゾクゾクしてしまうような、そんな作品ばかりなのです。

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彫刻作品以外に、絵画作品も展示されているほか、碌山と同時代に活躍し、碌山とも親交のあった高村光太郎や戸張孤雁、柳敬助といった作家の作品も多数展示されています。

高村光太郎の「手」の彫刻なんかもすごく力のある彫刻だなあと思うのですが、でも個人的には碌山作品にもっとすごい力を感じました。まさに作った碌山の魂が込もっているような……。

写真撮影が楽しい!どこもかしこもこだわりがある美術館

作品はもちろんなのですが、碌山美術館ではぜひ建築にも注目して見てください。

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まず美術館のシンボルである建物から。「碌山館」と名付けられた、碌山の彫刻作品が収められている建物です。

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まるで教会のような設計のレンガ造りの建物で、一定の時間に建物の上に備え付けられた塔の鐘が鳴ります(1日に何回鳴るのかはよく分からないのですが、訪れた時はちょうど12時のタイミングで鳴っていました)。

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とても雰囲気のある建物なので、近寄ってみたり離れてみたり、いろんな角度から撮るのが楽しいですよ。

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基本的に作品の撮影はNGなので建物の外観ばかりですが、入り口にこのような形で碌山の言葉が刻まれていたりします。

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そして休憩スペースとして解放されている「グズベリーハウス」がまたかわいらしいのです。地域の教員・高校生・中学生等の奉仕作業によって作られた建物なんだそう。

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余談ですが美術館の隣に中学校があって、中学生が日々美術館の清掃活動をしているんだそうですよ。60年もの間、この小さな個人美術館が続いてきたのはこういった地元の方々の支援のおかげもあるんでしょうね。

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そして建物以外もあちこちに細工が!建物の外に置かれた椅子の背中には「碌山」、「LOVE」の文字。

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木陰に置かれたベンチ前のテーブルには、十字のモチーフが施されています。

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他にもグスベリーハウスの取っ手がヤモリ?だったり、

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お手洗いの案内に、性別表示の文字ですらしっかりアート!

碌山美術館へのアクセスと入館料・開館時間・休館日

碌山美術館の最寄り駅は穂高駅で、駅から徒歩7分の場所にあります。車で訪れた場合は、美術館の道路挟んで向かい側にある駐車場を無料で利用できます。110台分の駐車スペースが用意された広い駐車場なので、停められないということはまずないでしょう。

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また、5月から10月までは無休なのがありがたい。通常、美術館というと月曜休みの施設が多いと思いますが(碌山美術館も11月~4月までは月曜休館です)、5月~10月の間はいつ行っても見学できます。

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3月~10月までは午前9:00~午後5:1011月~2月までは午前9:00~午後4:10の時間帯でオープンしています。(入館は30分前まで)入館料は大人700円、中高生300円、小中学生150円です。

碌山の彫刻作品の迫力と、建物の美しさを体感しに行こう!

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作品と建物と、こじんまりとしていながら見どころたくさんの碌山美術館。細かくみていくと本当にたくさんの発見がある美術館ですし、緑も多くて気持ちの良い場所なので、安曇野に行く際はぜひ訪れて、この美術館の魅力を体感して来てくださいね。